COVID-19
COVID-19への対処 ー あなたが健康でいることが最大の予防

公衆衛生学的には、不要不急の外出を控える。3密を避ける。社会的距離を保つことなどにより、とにかく感染しない様に気を付けることが重要とされています。
ここでしっかりと認識していただきたいことは、公衆衛生学的視点とは、死者の数や医療崩壊、経済的損失など社会全体としての損害をできる限り抑えるということであって、個々人のヘルスリスク回避ではないということです。
個人的な予防策として、マスクの着用、手洗い、うがい、消毒剤しか防ぎようがないと嘆く人もいます。
しかし、たとえこれまでに人類が遭遇したことのない新種のウイルスであったとしても、SARSやMERSなどの経験や研究成果、免疫とストレスとの関係、免疫と内分泌のつながり、そして何より「食事そのものが医療」、「砂糖が免疫を低下させる」など、様々な英知を個人の予防に生かしていくべきです。
時間はもはや限られますが、あなたが軽傷者で済めば、重傷者への医療1つの余裕が生まれますし、もし重症となっても死なないで済むかもしれません。あなたが個人的な予防をすることで、社会全体の負担軽減につながります。
FOOD IS MEDICINE
特効薬はなく、ワクチン開発にも少なくとも1年半以上はかかります。リスク要因に高齢者とならんで、心疾患や高血圧、2型糖尿病が挙げられています。どれも生活習慣病と言われるものばかりです。つまり、今からでも食事を見直すべきです。
食物繊維や発酵食品、フィトケミカルは、腸内細菌を正常に保ち、免疫の向上に寄与します。有機野菜、果物、味噌、ナチュラルチーズ、キムチ、納豆などを豊富に食べましょう。
ビタミンDやビタミンA、ビタミンC、亜鉛などの栄養素は、免疫の向上に役立つとされています。しかし、栄養所要量で示されているような、栄養素不足でおきる病気の発症を防ぐだけの最低量ではだめです。ビタミンDは、ウイルスが取り付くACE2レセプターを増加させますが、かえって感染しやすくなるとのエビデンスはありません。むしろ中国では、ビタミンDを投与して軽快した例が報告されています。
そこでサプリメントの活用になりますが、何でもサプリメントを利用すればいいかというとそれは間違いで、サプリメントとして摂取しない方がいい栄養素もあるのです。さらに、サプリメントの品質も大変に重要で、どれでも同じではないので、薬品レベルの厳格な基準で流通しているものを摂取しなければ無意味です。
砂糖は免疫を低下させるので、砂糖依存の人は、原因を詳しく調べて改善しておくべきです。
食事の時間も大変に重要で、夜9時以降には食べない方がいいです。あるいは厳密には、どの時間に何を食べるべきかも分かっています。
高齢者は、摂食や嚥下が困難であったり、口腔虚弱であることもあるので、タンパク質が適当量摂取しているか確認するべきです。
サイトカインストーム
若年者や健康な成人が死亡に至る原因の1つに、サイトカインストームが挙げられています。サイトカインというのは、免疫細胞が出す情報伝達物質です。
サイトカインストームでは、このサイトカインが異常に大量に放出され、かえって自分の免疫細胞で正常な組織までもが壊れてしまうのです。
このサイトカインストームを防ぐ物質に、SPM (Specialized pro-resolving mediator)があります。これは、何も特別なものではありません。オメガ3系の不飽和脂肪酸から私たちの体内で作られるのです。オメガ3は魚に含まれています。
ですから魚を食べましょう。しかしオメガ3のサプリメントもありますが、これは摂取してはいけません。オメガ3は酸化しやすく、流通過程ですでに酸化してしまっていることが多いからです。また、急に摂ることも禁物です。まずは牛、豚肉断ちです。時間の要することなので、できるだけ早く開始しましょう。これに関わる検査も有効です。
メディテーション
瞑想は免疫力を高めます。これは副交感神経が優位となり、免疫細胞と情報交換するからです。不安から、交感神経が優位になりがちです。もし、外来にお越しいただくことができるのなら刺激装置の活用も有効です。
睡眠
免疫細胞は、夜間に活発に活動します。したがって睡眠不足は大敵です。睡眠の質も大切です。睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠外来を受診すべきですが、そうでない睡眠改善であれば、当院で対応できます。
睡眠導入剤等での睡眠は、本来の睡眠ではありませんので、薬での対応はしません。
口腔乾燥
鼻粘膜や口腔粘膜、結膜などからウイルスの感染が始まります。あなたの口は乾いてませんか?
もし乾燥が認められるのなら口腔免疫は低下します。
カビなどが口に繁殖し始めると、常在菌が減少し、腸内細菌も変化してしまいます。
診察の中でご指摘しても、自覚されていない方も多いものです。
特に薬剤服用者は要注意です。
あなたが健康でいることが最大の予防
日本人の79.9%、ドイツでは6−7割のドイツ国民が感染すると考えられています。個人的な予防医療は重要です。
若年者でも重症化して入院を余儀なくされる方もいますが、だんだんと分かってきたことは「肥満」というリスク要因をお持ちのようです。
アンチエイジング 医療の知識を生かして肥満を解消し重症化を防ぐことで、医療崩壊も防ぐと考えられます。