メディカルサロン ナチュラルデンティストリー Blog
2016年6月16日 木曜日
増え続ける手術と低くなるハードル
皆様、こんにちは。
メディカルサロン・ナチュラルデンティストリーです。
医師になってから、早いものでもう20年以上が過ぎました。
1年目の研修医生活に始まり、地域医療や公衆衛生、大学院や基礎研究など様々なことを経験し、
ここ数年は、麻酔科医とアンチエイジング専門医としての二足のわらじを履いています。
しかし、これまでなんといっても多くの時間を費やしてきたのは、麻酔科医としての臨床の仕事。
振り返れば、これまで何万人もの手術を受ける方々に接してきたことになります。
麻酔科が他の科と最も異なるのは、いわゆる病気の診断を行わないこと。
むしろ、一人ひとりの患者さんの生理学(physiology)や生物学(biology)と向き合い、
呼吸や循環、ひいては意識や記憶をコントロールし、
手術という大きな侵襲(ストレス)から体を守り、
回復へと導くことが仕事です。
学問としても麻酔科学は本当に面白く、神経科学の側面からも興味は尽きません。
さてそんな中、私が近頃とても気になるのは、高齢の方の手術が急速に増えていること。
80代、90代の方の手術もしばしばです。
癌の手術も急激に増えています。
診断技術の進歩とともに、手術や麻酔の技術もどんどん進み、多くの方が安全に手術を受けられるようになってきたのは事実。
しかし、今も昔も、手術は人生にとっての一大事。
大きなストレスです。
侵襲が大きければ大きいほど、回復にも時間がかかり、術後の合併症も多くなります。
家族にも大きな負担がかかります。
本当に必要な手術なのか、手術によって生活の質は向上するのか、長生きできるのか、
手術に耐え得る十分な体力や意欲はあるのか・・・
予想される危険性は、合併症は・・・
手術を行う前に考慮すべきことはたくさんあります。
にもかかわらず、手術件数は増え続け、手術へのハードルがどんどん低くなっていく。
一方、多くの方は、すでに数々の慢性疾患を抱え、種々の投薬を受けている状態。
日々、手術室で患者さんと向き合うたびに、
「この手術によって、この方は本当に生きる喜びを取り戻せるのだろうか・・・」と考えさせることもしばしばです。
(明日に続く)
メディカルサロン・ナチュラルデンティストリーです。
医師になってから、早いものでもう20年以上が過ぎました。
1年目の研修医生活に始まり、地域医療や公衆衛生、大学院や基礎研究など様々なことを経験し、
ここ数年は、麻酔科医とアンチエイジング専門医としての二足のわらじを履いています。
しかし、これまでなんといっても多くの時間を費やしてきたのは、麻酔科医としての臨床の仕事。
振り返れば、これまで何万人もの手術を受ける方々に接してきたことになります。
麻酔科が他の科と最も異なるのは、いわゆる病気の診断を行わないこと。
むしろ、一人ひとりの患者さんの生理学(physiology)や生物学(biology)と向き合い、
呼吸や循環、ひいては意識や記憶をコントロールし、
手術という大きな侵襲(ストレス)から体を守り、
回復へと導くことが仕事です。
学問としても麻酔科学は本当に面白く、神経科学の側面からも興味は尽きません。
さてそんな中、私が近頃とても気になるのは、高齢の方の手術が急速に増えていること。
80代、90代の方の手術もしばしばです。
癌の手術も急激に増えています。
診断技術の進歩とともに、手術や麻酔の技術もどんどん進み、多くの方が安全に手術を受けられるようになってきたのは事実。
しかし、今も昔も、手術は人生にとっての一大事。
大きなストレスです。
侵襲が大きければ大きいほど、回復にも時間がかかり、術後の合併症も多くなります。
家族にも大きな負担がかかります。
本当に必要な手術なのか、手術によって生活の質は向上するのか、長生きできるのか、
手術に耐え得る十分な体力や意欲はあるのか・・・
予想される危険性は、合併症は・・・
手術を行う前に考慮すべきことはたくさんあります。
にもかかわらず、手術件数は増え続け、手術へのハードルがどんどん低くなっていく。
一方、多くの方は、すでに数々の慢性疾患を抱え、種々の投薬を受けている状態。
日々、手術室で患者さんと向き合うたびに、
「この手術によって、この方は本当に生きる喜びを取り戻せるのだろうか・・・」と考えさせることもしばしばです。
(明日に続く)
投稿者 滝歯科医院